「歯周病の予防には、日頃のケアが大切!」

2023/03/07

歯周病は、日頃の口内ケアが不十分な場合に発症することがあります。
この記事では、歯周病の予防について詳しく説明し、正しい歯磨きやフロスの使い方など、歯周病予防のための具体的な方法についても紹介します。

 

歯周病は歯周病菌に感染して起こる疾患で感染症です。歯周病菌は元々、人間が生まれてすぐは口腔内に存在しない細菌です。

しかし、口腔内に歯牙が萌出し、離乳食を摂取するようになると、その子の親が持つ歯周病菌が、虫歯菌や他の菌と一緒に子供の口腔内に移り棲

むようになります。

その理由は、親が歯周病や虫歯の疾患を有していたり、過去に、歯周病、虫歯に罹患した経歴があれば、それらの菌が移り棲むようになります。親が噛み砕いたものを直接子供に与えたり、親が使った箸、スプーン、食器等を払わずにそのまま使って子供に食物を与えれば、歯周病菌、虫歯菌が子供の口に入り移り棲むようになります。一度、移り棲むようになればそれらの菌をお口の中から駆除するのは不可能です。

 

しかし、菌が移り棲んだからといって、歯周病、虫歯が発症するかといえば違います。発症するかどうかは細菌の数によります。つまり、数百のオーダーでは特別なことがない限り発症しません。その数が数千、数万匹になったときに発症します。

 

では、その数をコントロールするにはどうするかですが、その方法が歯磨きです。お口の中の細菌はお口の中の主にどこに生息するかといえば、それは、歯と歯茎の境目にバイオフィルムとなって生息しています。

バイオフィルムとは、数種の細菌が塊となって粘着性をもって、こびりついている状態のことを言います。例えば、お風呂場の排水口や壁、窓枠等にカビが繁殖し、べたべたとこびりついている状態と同じです。

お口の中ではそのバイオフィルムを強力な洗剤を使って溶かすわけにはいかないので、歯ブラシを使い擦り落とす以外に方法がないので毎日の歯磨きが必要になります。

よって、歯周病予防、虫歯予防、ひいては日和見感染(風邪、インフルエンザ等の感染症)予防には毎日の歯磨きによりお口の中の細菌数のコントロールが非常に大切となります。

特に歯科治療に於いては毎日の効果的な歯磨きが非常に重要になります。

まず、一日の内で歯磨きをする適切な時間帯は就寝前です。理由は細菌は人が寝ている時にお口の中で繁殖するからです。よって、就寝前にお口の中の細菌の絶対数を歯磨きにより減らしておけば就寝中に増えたとしても歯周病、虫歯に罹患しにくくなるからです。

 

実際の歯磨きの仕方としては、歯ブラシをお水で濡らし、お口がさっぱりとするまで磨いてください。お口の中がさっぱりしたなと感じたら、舌で歯をなめてみてください。

舐めてみてざらざらしたり、ぬめぬめしたりしている箇所があれば、それが無くなるまで磨き、無くなれば、歯医者がよく言う、良く磨けているという状態です。

もし、歯磨剤を使うのであれば、その状態になってから、歯ブラシに歯磨剤を大豆大に付け、お口の中全体をサラッと磨いて下さい。そして、お口を漱ぐのは5分我慢してください。

唾液が多く出るので、唾液は捨てて構いません。5分経過したら一回お水で漱いで下さい。もし、漱がなくてもよければしなくて結構です。そうすれば、歯磨剤に含まれている薬剤が歯面や歯と歯茎の境目に沈着し効果的です。

 

歯を磨く際に気を付けなけらばならないことは、歯茎を磨かないようにすることです。細菌は歯面に付着しています。歯茎には付着していません。ですので、歯面を磨けば十分です。

歯面を磨いていれば歯茎や舌に細菌が問題を起こすような数になり生息することはありません。具体的には、歯と歯の間にブラシの毛先を入れるように磨いて下さい。

決して、毛先を歯茎に向けないようにしてください。毛先を歯茎に向けると歯茎を傷付けたり、歯肉退縮を起こすことがあります。日本人の歯を支えている骨や歯茎は薄いので強い力で歯茎を磨くと歯茎や骨が無くなってしまいます。

フロス、歯間ブラシはあくまでも補助清掃用具です。メインは歯ブラシです。歯ブラシで足りない所をフロス、歯間ブラシを使いますがその使い方は歯科医院で個々に聞いて下さい。

その使い方は個々のお口の状態で違います。一概に言うことは却って間違いや混乱を引き起こしますのでご注意ください。