「歯周病の進行度に応じた治療法の選び方」

2023/04/19

歯周病は進行度によって、治療法が異なります。

この記事では、歯周病の進行度に応じた治療法の選び方について詳しく説明し、歯周病の初期段階であれば自宅でのケアでも改善できる場合もあることを解説します。

 

歯周病は進行度によって大きく3つに病態を分けることができます。

まず、歯茎、骨などの歯周組織への侵襲度により

初期歯周炎

中等度歯周炎

重度歯周炎

です。

 

歯周病の治療方法は細かくは色々ありますが、大きく分けると初期治療と外科的治療の2つです。歯周病初期治療とは歯周病を引き起こす原因の除去を行う治療の事を指します。

その治療の

第1:ブラッシング指導

第2:不適合冠の除去

第3:喫煙指導

第4:保存不可能な歯牙の抜歯

第5:栄養指導等

が、主なものです。

 

この初期治療を行ったうえで、症状が改善されない中等度や重度の歯周病の場合に行う治療が外科的治療となります。

外科的治療方法については色々あり、その病態により外科的治療方法が変わりますので、ご自分が外科的治療をお受けになるときに担当の歯科医の説明をお聞きください。

 

歯周病初期治療は初期の歯周病であろうが重度の歯周病であろうが、必ず受けなければならない治療です。なぜならば、この初期治療により、歯周病の原因除去を行うからです。

そして、歯周病の約8割がこの初期治療で収まるといわれています。

中でも重要なのがブラッシング指導です。

理由は毎日、ご自分の口の中に生息している歯周病原因菌等を除去するのは毎日のブラッシング以外に無いからです。

 

先ずは、正しいブラッシングの仕方を歯科医師や歯科衛生士に習ってください。正しいブラッシングが出来れば、初期の歯周病は治ります。

また、虫歯も虫歯菌に感染して起きる疾患なので、毎日の正しいブラッシングが虫歯予防になります。そして、初期の虫歯ならば、その進行を遅くすることもできます。

虫歯の進行度ゼロ期(歯質の浸食度が初期で変色程度)ならばその虫歯は治る可能性があります。ですので、歯科治療に於いて、何よりも重要なのが患者さんが毎日ご自分でなさるブラッシングです。

 

第2の不適合冠の除去とは、歯に被せてある冠で不適合なものは患者さんが幾ら努力して歯を磨こうとしてもその冠が合っていない為、ブラシの毛先が届かず歯垢(細菌)が除去できないときや根の治療(根管治療)を行うときにその間を除去します。

 

第3の喫煙指導は喫煙は歯周病の原因の一つですので、重要な治療の一つです。

 

第4の保存不可能な歯牙の抜歯とは、歯を支えている骨が歯周病によって既に無くなっていたり、骨が有っても、歯の動揺が酷く改善を見込めず、却って、その歯が存在することがお口全体に悪影響を及ぼすことが考えられる時に抜歯をします。

 

第5の栄養指導は糖尿病があると歯周病が治りにくくなるので歯科でも食事の内容について指導を行ないます。

 

歯周病は糖尿病や高血圧症などと一緒で完治することは有りません。症状が収まるだけです。ごく初期の歯周病だけは治ります。

中等度から重度の歯周病とは歯を支えている骨が無くなっている度合いにより分類されています。無くなってしまった骨は特殊な条件下でなければ再生させることは不可能です。ですので、歯周病が完治することはないのです。

歯周病を再発させないようにするには、毎日の正しいブラッシングと歯周病専門医による定期健診が何より重要です。

皆様、正しいブラッシングを心がけましょう。