虎の門病院臨床腫瘍科との医科歯科連携を開始いたしました。
2018/11/27
皆様、臨床腫瘍科 (腫瘍内科)という科の事をご存知でしょうか。字の通り腫瘍(主に固形がん)を扱う科で、抗がん剤や分子標的薬などを中心とした薬物療法やがん患者さんのケアを専門としています。日本ではまだなじみが薄い診療科ですが、ここ10数年で徐々にその専門医も増えつつあります。
日本に比べて欧米では腫瘍内科医は非常に多く、がん治療の中心的存在として活躍しています。腫瘍内科医は、様々な臓器を専門とする内科医・外科医、放射線科医、看護師、薬剤師などそれぞれの専門家と情報共有・協力しながら、がん患者さんに対する最善の治療・ケアを進めていきます。各専門家とのつなぎ役、いわばがん診療におけるコーディネーターの役割を担っているのが腫瘍内科医です。がんに対する各種薬物療法の専門家であり、医師によって特に専門とする分野はあるものの、すべてのがんについて一定以上の知識と経験を有しています。日本国内ではまだまだ腫瘍内科医は不足していますが、上記のようにがん診療におけるコーディネーター役として腫瘍内科医が活躍している施設も増えてきています。
また近年、乳がんに罹患した著名人の訃報が続いております。乳がんに対しては、手術療法、薬物療法、放射線療法を組み合わせた集学的治療が標準的に行われますが、その治療方法は近年ますます複雑化しており、乳腺外科医・(乳腺)腫瘍内科医・放射線科医を中心とした連携チームでの治療が必要であると考えられています。特に乳がんに対する薬物療法は、そのサブタイプに応じて、多種多様なホルモン療法、化学療法、分子標的薬などを個々の患者さんの状態や価値観に合わせて適切に使用すること(治療の個別化)が大切であり、そのためには専門家とよく相談しながら治療を進めていくことが重要です。
当院及び有田会 (歯周病専門医を中心とした勉強会)の会員の各医院では、虎の門病院 臨床腫瘍科と連携し、がん患者さんの最善・最適な診療を目指しています。ご自身やご家族のがん診療に関して不安を抱えておられる方や、乳がん検診異常などを指摘され受診先に困っている方などがおられましたら、お気軽にお声がけください。
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