「歯周病の症状を見逃さないために知っておくべきこと」
2023/05/18
歯周病は、初期症状が軽く見えて見逃しがちな場合があります。
この記事では、歯周病の初期症状や進行すると起こる症状について詳しく解説し、歯周病の早期発見・治療の重要性についても説明します。
自分自身が気付く歯周病の初期症状は歯茎からの出血です。歯を磨いたときや、リンゴを噛み砕いた時の歯茎からの出血です。
出血とは歯茎に炎症が起きている時に起こる症状です。
ではなぜ、歯茎に炎症が起きるのかと言えば、歯と歯茎の境目に歯周病菌が3日以上生息すると歯茎の炎症が惹起されます。
出血するということは、皆さんは毎日歯磨きをされているでしょうが、歯磨きはしているけれど、細菌を落とすような歯磨きが出来ていないということになります。
歯周病の初期段階では、歯肉に炎症が起こり、その状態が放置されると、歯を支えている骨が無くなっていきます。
また、歯を支えている歯周組織に炎症が起きているので、歯が沁みたりすることもあります。
歯周病がさらに進み中等度になると、歯の根の部分が少し見えるようになり、歯が沁みることも多くなってきます。
当然、歯茎からの出血もあります。
また、口臭も認められるようになります。この状態で数年過ぎると、歯の根がはっきりと見えるようになり、歯が長くなったように見えます。
これは、歯を支えている骨が半分以上無くなっているために起こる現象です。
そして、歯がぐらぐらするようになりうまく噛むことが出来なくなります。
噛むときに痛くて噛めなくなります。
以上の経過が歯周病の大まかな進行状況です。
歯周病は生活習慣病と言われ、無くなった骨を元の状態に戻すことは、一部の特殊な場合を除いて、できません。
どうして、生活習慣病と言われるかというと、虫歯も歯周病も毎日の歯磨きが出来ていないために起きる、虫歯菌、歯周病菌の感染症だからです。
習慣となっている歯磨きの仕方に問題が有るのです。
ですので、正しい歯磨きの仕方、良く磨けているかどうかの検証の仕方を教わって、それを実行することが何よりも大切です。
よって、歯周病を進行させないようにするには、先ず、歯周病専門医による検診を定期的に受けること、また、歯茎からの出血や口臭、歯が動くなどといった症状が見られたら歯周病専門医での受診をお勧めします。
歯周病は、歯周病菌による感染症です。
ですから、先ずは毎日の歯磨きにより歯周病菌を落とすことが何より大切です。
毎日の歯磨きが適切にできるように、歯周病専門医や歯周病認定衛生士に、歯の磨き方ときちんと歯磨きが出来たのかどうかという検証の仕方を習うことが何よりも大切です。
歯周病の治療は、先ず、この歯磨きの指導からです。
歯磨きが出来なければ、どんな高級な治療も無駄だからです。歯磨きに勝る治療は無いと思います。
歯周病の初期段階で治療が開始されれば、殆どの歯周病は治ります。
ですので、歯周病専門医による定期的な検診が非常に重要になります。
歯周病が中等度以上になると、歯周病治療も長くなり、外科的治療も必要になる場合も出てきます。
また、歯周病治療が終了しても、歯周病が完治することは無いので、数か月ごとの定期健診が非常に重要になります。
検診は同じことの繰り返しで、検診を受けなくてもいいのではないかと思い検診を受けなくなる方もいらっしゃいますが、そのまま数年を過ごして歯周病の症状が出て再び来られると、その時は症状が進んでいて、再度歯周病治療をしなければならなくなります。
ですので、検診で悪くなっていないから検診を受けないのではなく、検診を受けることによりご自分の歯周病に関しては問題が無いことを確認することに意味があり、問題が有ればその原因を探り、その原因に基づいた治療を受けることが重要です。